筆者が学部生の頃、タンパク質の結晶化は非常に難しいと授業で教わりました。
タンパク質の結晶化は職人技だ!と。
しかし、タンパク質の結晶化は年々簡便になってきています。また、最近の酵素工学の論文を見ていると、近い将来タンパク質の結晶構造は必須になるのでは?思います。
今回は、血液中のコレステロール値を低下させる薬としても有名なロバスタチンの生合成に関わるLovCという還元酵素についての論文を紹介します。この論文では、LovCの結晶、変異酵素の結晶、補酵素や基質との共結晶など様々な結晶を基に、反応機構、タンパク質間相互作用について議論しています。
’’Crystal structure and biochemical studies of the trans-acting polyketide enoyl reductase LovC from lovastatin biosynthesis’’
Brian D. Ames, Chi Nguyen, Joel Bruegger, Peter Smith, Wei Xu, Suzanne Ma, Emily Wong, Steven Wong, Xinkai Xie, Jesse W.-H. Li, John C. Vederas, Yi Tang and Shiou-Chuan Tsai
PNAS, 109 (28) 11144-11149(2012) DOI : 10.1073/pnas.1113029109