Quantcast
Channel: 化学者のつぶやき -Chem-Station-
Viewing all articles
Browse latest Browse all 502

実験化学のピアレビューブログ: Blog Syn

$
0
0

blogsyn.png

A君「この化合物どうやって作ろうかな」

A君「得意のSciFinderで検索だ!」

「よしバッチリなものを見つけたぞ。実験手順も簡単だ!すぐにでもできるよ!」

ー数時間後

A君「あれ?生成物が得られないんだけど。なにか手順を間違えたかな。もう一度やってみよう」

ー数時間後

A君「あれ?おかしいな。」

ー数日後

A君「全然うまくいかないよー。本当にあってるの?嘘ついてるんじゃないの?

B先生「君の腕が悪いんじゃない?」

C先輩「この本に似た様な反応がのってるからもう一度、元文献やコツを確認してみたら?」

 

こんなA君のような経験ありませんか?筆者は少なく例とは状況が違いますがあります。有機合成のものづくりをやっているとこんな方法があったはずと調べてみて実際の論文の実験手順にそってやってみてもうまくいかない。収率は報告されているものよりも悪いもの往々にしてさらには全く目的の生成物が得られないことも。こんなとき筆者は自分を疑い、必ず報告されている基質に戻り、出来る限り注意深く実験を行なってみます。それでもダメなら普通は諦めます。

これはB先生のいうように俗にいう「腕が悪い」で片付けられる問題かもしれません。そうではなくて、C君のいうように、実際にいろいろな実験のコツが必要な場合もあるかもしれません。有機合成化学にはそのような"職人的な"側面が少なからずあるので、いくつか実験化学のノウハウ的な書籍や、もちろん信頼性や大量合成でも活用できる反応を掲載した論文誌Org. Synth.、Org. Proc. Res. Dev.などもあります。

上記にあげた理由で解決出来れば、よしよし有機合成化学者として育ってきたなといいたいところです。さて、A君の最後の発言に戻ってみましょう。

 

本当にあってるの !?嘘ついてるんじゃないの!?

 

これを確かめる方法はあるのでしょうか?

無論、皆さんご存知のように、論文はその筋の第一人者らによってピアレビュー(研究者仲間や同分野の専門家による評価や検証)されます。いわゆる論文査読というやつですね。但し、実験内容まで確かめて、合成反応の実験の再現性や収率を確かめることはなかなかありません。

 

そんな実験化学のピアレビューシステムをブログでやってしまうじゃないの!

 

ちょっと前置きが長くなりましたが、こんなA君の気持ちに答えた(?)ブログが登場しました。それが、今回紹介するBlog Syn です。

 


Viewing all articles
Browse latest Browse all 502

Trending Articles