ベンゼンテトラアニオン誘導体の合成に成功,芳香族化合物の理解 深まる.
日本を代表する絵画のひとつ、江戸時代の画家である俵屋宗達による代表的作品「風神雷神図屏風」。ふと思い起こして、見比べてみると、あら不思議。フェロセンが太鼓にも見えるし、手足の指も5本ずつだし、これはネットスラングで言うところの 完 全 に 一 致 というやつでは。そっくり!?
冗談はさておき。この「雷神分子(仮名)」の胴体にあたる中央の炭素六員環にご注目。金属元素のイットリウムに挟まれて、よくよく考えてみると電荷がおもしろげなことになっています。テトラアニオン(四価陰イオン)になっており、数えてみるとパイ電子はちょうど10個です。10は4で割り切れないため、ヒュッケル則を満たすことになりますが、はてさて実際に作って調べてみると芳香族になるのでしょうか。
ベンゼンテトラアニオン
ベンゼンテトラアニオンは芳香族性を持つのか、合成・単離・結晶構造解析の結果[1]はいかに?