ケムステでも化学研究ライフハックと称し、様々な情報処理ソフトウェアを紹介してきました。
しかし実験科学者のクリエイティビティが遺憾なく発揮されうるのは、むしろハードウェア(実験器具)のほうではないでしょうか。
例えば「このガラス器具、こういうところを工夫すればもっと使いやすくなるのになぁ・・・」といった現場視点の細かなニーズ、誰しも一つや二つ持っているはずです。
しかしこれを具現化する段になると、途端に難しくなってしまう。ガラス製・ポリ製・金属製である実験器具の加工は、素人では手が出せません。仲良しのガラス工のおっちゃんに頼んで作ってもらう、ぐらいがせいぜいでしょうか?
いずれにせよ「実験器具を自作する」という選択自体、技術面でも設備面でもハードルが高く、現実的ではありません。ともかく既成品を買って使う、オーダーメイドしてもらうという選択肢しか事実上ないわけです。
しかし現代では、どうやら少しづつこれが様変わりを見せているようなのです[1]。