農薬DDTが大好きな蜂
わたしはDDTが大好きです! 「タデ喰う虫も好きずき」の諺にもあるとおり、苦かろうと、渋かろうと、そして毒があろうと、それを好き好んで食べたり集めたりする生き物は存在します。例えば、フグの体内に含まれるテトロドトキシンは食料となる海底生物に由来していると考えられていますが、フグにはテトロドトキシン入りの餌を選り好みする性質が確認されています。...
View Article究極の二量体合成を追い求めて~抗生物質BE-43472Bの全合成
天然から発見された有機化合物には、2つの同じ(もしくは似ている)ユニットが結合したような構造をもつものがたくさんあります。これらは二量体(型)天然物(dimeric natural products)と呼ばれ、2004年に行われた調査では、約3000報に登る天然物に関する論文のうち、およそ17%が二量体天然物に関するものだったそうです...
View Articleもし炭素原子の手が6本あったら
6月なので6にちなんで、原子番号6番、炭素Cにまつわる「6」の話を記事にしたいと思います。 炭素原子と言えば結合を作る手は4本だということは、理科好きならば中学生でも常識扱いされる有名なことかもしれません。4本しか手がないのであれば、4よりも多くの方向へ結合の手がのびることはなさそうです。...
View ArticleReaxys Prize 2013ファイナリスト45名発表!
さて、今年もこの季節がやってきました。Reaxys Ph D Prize ファイナリストの発表です。博士課程の学生もしくは博士取得後1年以内の方に与えられる、主に有機化学分野での国際賞。今回、で4回目になりますが、これまでもケムステではReaxys...
View Articleビール好きならこの論文を読もう!
暑い季節になりました。そろそろビアガーデンに行き始めた読者もいることでしょう。というわけで、今回はAngewandte Chemie International Editionに掲載された、ビールに関わる論文 [1] を紹介したいと思います。
View ArticleChemDraw for iPadを先取りレビュー!
こちらのケムステニュースでもお伝えした通り、今月初旬に待望の化学構造式描画アプリChemDraw及びChem3DのiOS版がリリースされました。構造式描画アプリは今まで幾つかありましたが、やはりデスクトップPCで慣れしたしんだソフトの方がスムーズな使用感やPCとの連携も期待できるので待ち望んでいた方も多いのではないでしょうか。...
View Article塩にまつわるよもやま話
塩はどの家庭にも置いてある身近な化学物質です。小学校の理科でも塩の主成分が塩化ナトリウムであることは教えます。そんな身近な塩化ナトリウムではありますが、さてどれだけ塩化ナトリウムのことを普段気にかけていますか?...
View Article印象に残った天然物合成1
6月も終わりが近づいてまいりました。雨は多くなるし、暑くなるし、有機合成のやりにくい季節ですね。 最近、天然物合成の記事が減ってきたように思いますので、私が印象に残っている天然物の合成をいくつか紹介させて頂きたいと思います。
View Article近況報告PartIV
昨年秋に近況報告をさせていただきました。色々溜まりすぎて、雑多な話題になってしまいますが、ケムステ代表の8ヶ月ぶりの近況報告です。最近スタッフも少し忙しいので記事もすこし減少気味。でも化学者のつぶやきなんでなにを話してもいいのです。それでは夜も更けて朝日が見えたこの時間のテンションで近況報告です(執筆時)。
View Article超一流化学者の真剣勝負が生み出した丸かぶり論文
さて皆さん上図をごらん下さい。これらは少し前に報告された触媒反応[1a,1b]のグラフィカルアブストラクトです。ほぼ同時に投稿されているうえ、触媒系にもさほど違いがありません。 こういう事態が起こると外野からは「どっちがどっちをパクったの?」「どっちにレフェリーが回ったの?」と安直に言及されがちです。...
View Article今さら聞けないカラムクロマト
~4月某日、ある有機合成系研究室の一場面~ 院生A: と、いう様に分液操作で後処理をしたら硫マグで乾燥させるんだ 4年配属生B: なるほど、この後はどうするんですか?、先輩 院生A: 入れた乾燥材をろ過してエバポだね 4年配属生B: 抽出溶媒を除く訳ですね 院生A:そ う、そしてカラム精製だ。 4年配属生B: ありがとうございます、やり方は? 院生A: 移動相はRf...
View Article【書籍】パラグラフ・ライティングを基礎から訓練!『論理が伝わる 世界標準の「書く技術」』
"文章力は経験では上達しないのです" 最近刊行された『論理が伝わる 世界標準の「書く技術」』(倉島保美 著)は、「論理的文章を書くための黄金律」であるパラグラフ・ライティングの基礎から実戦までを、徹底的に分かりやすく解説した書籍です。 今回は本書のエッセンスをもとに、パラグラフ・ライティングについて紹介してみたいと思います。
View Article自在に分解できるプラスチック:ポリフタルアルデヒド
(図は文献2より引用) ポリオレフィンやポリエステルといったプラスチックは安定性が非常に高いため、使い捨て容器やPETボトルなどとして幅広く利用されています。しかし、「安定性が高い」ということを言い換えれば「分解されにくい」ということになります。そのため、自然界に残存したプラスチックが環境汚染の原因となったり、リサイクルしにくかったりといった欠点があります。...
View Article第7回日本化学会東海支部若手研究者フォーラム
行事名: 第7回日本化学会東海支部若手研究者フォーラム「分子科学のライジングスター」 主催: 日本化学会東海支部 共催: 名古屋大学IGER博士課程リーディングプログラム 名古屋トランスフォーマティブ生命分子研究所 日本化学会 協賛: Chem-Station 開催日時: 2013年7月17日 13:30〜18:00 会場: 名古屋大学...
View Article印象に残った天然物合成 2
7月になり、どんどん蒸し暑くなってきましたが、いかがお過ごしでしょうか? 大学院生時代に先生方によく言われたのは、 <晴れの日の場合> 「今日は『実験日和』だ。バリバリ実験しなさい」 <雨の日の場合> 「雨でどうせ遊びに行けないんだから、バリバリ実験しなさい」 ……蒸し暑いですが、とりあえず皆様元気よくやっていきましょう。 今回はWoodwardらによるErythromycinの全合成...
View Articleナノってなんナノ?~日本発の極小材料を集めてみました~
「ナノってなんナノ?」 と冒頭からしょうもないオヤジギャグですいません。 でも、結構身近にナノ○○なんて言うものは沢山転がっているので、専門家でなくとも耳にしたことがある言葉でしょう。 まあ、ナノと名付けなくても良さそうなものもありますが、そもそも、ナノとは「10のマイナス9乗」を表す言葉です。 まあそれくらい小さい世界のものだと言うことです。...
View Article積極的に英語の発音を取り入れてみませんか?
有名ハンバーガー店のMcDonaldはなんて呼びます? マック?マクド? よくある論争ですね。でも海の向こうじゃどっちも通じません。マクダーナウと言えば通じやすいと思います。 時間を聞きたい時は? ワットタイムイズイットナウではなく、掘った芋いじくるな!が定番です。 今をときめく日本発の人気キャラ ポケモン(Pokemon)はポ キモンがいいでしょうね。...
View Article「オープンソース・ラボウェア」が変える科学の未来
ケムステでも化学研究ライフハックと称し、様々な情報処理ソフトウェアを紹介してきました。 しかし実験科学者のクリエイティビティが遺憾なく発揮されうるのは、むしろハードウェア(実験器具)のほうではないでしょうか。 例えば「このガラス器具、こういうところを工夫すればもっと使いやすくなるのになぁ・・・」といった現場視点の細かなニーズ、誰しも一つや二つ持っているはずです。...
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