(引用:ajw.asahi.com)
先日発表された歴史をひっくり返すほどの偉業、STAP細胞のニュースは市井を大いに賑わせています。
開発者が学位取得わずか2年目の女性科学者だったこと、心に響く苦難話とサクセスストーリーなど異例づくめも手伝って、広く興味をひく話題だったようです。
筆者は専門外なので、科学的詳細の解説は別に譲りたいと思いますが、今回の騒動に絡むネット上の意見には、いろいろ気になる点が散見されました。
「マスメディアは科学の肝要や基礎を詳細に報道しない」
「科学と関係ない、キャラや見た目やプライバシーにフォーカスしすぎ」
「日本人科学者の時しか大々的に取りあげないよね」
「海外メディアの優れた科学記事に比べ、日本のマスメディア何なの?」
こういった意見はノーベル賞の時にも常時出てくる、特に科学者サイドから噴出する不満です。筆者自身もいち科学者ですので、そういう感想を全く持たないと言えば嘘になります。
ただ、毎度同じような不満が続出すること自体、以前から全く変化が見られないようでもあります。優れた科学の裏で交わされる非難コメントは、正直見ていて気持ちの良いものではありません。
この現実をして「マスメディアの責任100%」と断ずるのは至極簡単です。しかしこれだけあちこちで言われていることですから、流石にメディアだけに原因を限った話ではないとも思われるのです。
いろいろ考えた結果、メディアと科学者同士の無理解とギャップが問題の根源ではないか、と何となく思えてきました。
ここではあえて「科学サイドの意識と姿勢」に疑問を呈してみたいと思います。