先日の記事では、「ものづくり」に焦点を当てて、合成生物学の力量と将来性を紹介してきました。
しかしその応用は、「ものづくり」にとどまるものではありません。
新たな人工生物系を用い、高い選択性/有効性/安全性を持った治療法の開発が医療分野で進められているのです。
このうち多能性幹細胞については既に良質な解説が多数あります。ですので今回は、それ以外の研究に焦点を当てて取りあげてみたいと思います。
主には下記レビューをまとめ上げた内容になりますが、今後の医療科学の方向性を化学者側で考えるきっかけにできればと思います。
Bringing next-generation therapeutics to the clinic through synthetic biology.
Bugaj, L. J.; Schaffer, D. V. Curr. Opin. Chem. Biol. 2012, 16, 355. doi:10.1016/j.cbpa.2012.04.009