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Channel: 化学者のつぶやき -Chem-Station-
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最長の炭素酸素間結合を三環オキソニウムイオンで

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炭素酸素間結合(C-O)と言えば、エタノールとか、エチルアルコールとか、炭素数2のアルコールとか。おりしも忘年会シーズンですが、お酒の成分としておなじみ、あの分子にも含まれます。

この、アセトアルデヒドを経て酢酸に酸化される分子言い換えしつこい!の炭素酸素間結合(C-O)は、1.431Aと見積もられます。なんと、この結合長をはるかに超えて、1.622Aの炭素酸素間結合(C-O)を持つ分子が新たに合成されました。この13%増しの秘訣は、高校化学からなじみのオキソニウムイオン(H3O+) にあり!?


自由の世界へようこそ

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最近の有機合成のトレンドの一つに既存の反応で当たり前のように用いられてきた試薬や条件を用いることなく新たな反応を開発するというのがあります。代表的な例として遷移金属を用いない(transition-metal free)合成が挙げられます。

今回、Pittsburgh大学のDennis P. Curran教授のグループが遷移金属フリーかつ環境調和型溶媒を用いた画期的なエステルの分解反応をNature Chemistry誌に報告したので紹介します。

サイエンス・コミュニケーションをマスターする

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突然ですが自分の研究を伝えるのって難しいと思いませんか?学会などのプレゼンテーションや企業での面接の時など、「自分にわかりやすく伝える力があれば、、」とほぞを噛む経験は一度はあると思います。

僕が感じる問題は、一般的にプレゼンテーションにおける「正解」があやふやにしか定義されていないために、努力が上滑りになってしまうことがあるということです。でもこれって野狐禅的というか、もうちょっと確固たる指針を元にやっていきたいとおもいませんか?

 

といったところで、MRS fall meetingでサイエンスコミュニケーターであるTim Miller氏によるサイエンスプレゼンテーションの講演があり、聴講したところ非常に良かったので、一つの良い例として少し紹介したいと思います。

 

私達のなかにある「どうやってよいプレゼンテーションをすればいいのか?」という迷いが少しでも無くなればよいと思います。

ウーロン茶の中でも医薬品の化学合成が可能に

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衝撃の写真を見直すと、やはり「ウーロンちゃ」と書かれています、はい。途中をすっ飛ばして(!)要点だけ言ってしまうと「亜鉛化合物を入れるとおクスリができちゃう」というお話です。

画像を論文[1]より転載

分子標的の化学1「親和クロマトグラフィーで最高峰GPCR単離にいたる苦難の14年」

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本日12月10日はノーベル賞の授賞式典だそうで、受賞者がスウェーデンの首都ストックホルムに集まった様子は、テレビニュースなどでも報道されています。今年のノーベル化学賞は「Gタンパク質共役型受容体の研究」が評価され、ロバート・レフコウィッツ氏とブライアン・コビルカ氏に与えられました。

ところで、このGタンパク質共役型受容体(G protein coupled receptor; GPCR)。そもそも、どうやってモノをとってきたのでしょうか。実は、ケミカルバイオロジーの花形のひとつ、アフィニティクロマトグラフィーでとってきたものなのです。

アフィニティクロマトグラフィー(親和クロマトグラフィー)とは、リガンド生理活性物質と直接に相互作用するタンパク質を、物理的な結合能力にもとづいて分離するための方法です。アフィニティーカラムを釣り竿にたとえれば、リガンド生理活性物質が釣り針つきの餌に該当します。構造活性相関にもとづいて、結合能力を失わないようにリガンド生理活性物質を結びつけたカラムビーズを合成。これを用いて標的を釣りあげるのです。

Reaxysレクチャー&第9回平田メモリアルレクチャー

ホットキーでクールにChemDrawを使いこなそう!

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化合物、特に有機化合物の構造式をPCにて描く際に最も広く使われているのは言わずとしれたChemDrawでしょう。そろそろ卒論を書く季節が近づいてきましたのでこのChemDrawというアプリと悪戦苦闘する四年生が風物詩の季節です。

ケムステTwitterFacebookのページでも既にご紹介しましたが、ChemDrawの隠れた(?)機能を駆使すると、あのviagraでさえものの20秒で描けてしまいます。これって上級ユーザーでもなかなか難しいですよね。

目が見えるようになる薬

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C23H30N5O2 …たった60原子の化合物を投与するだけで、目が見えなかったひとを救えるかもしれない。もうマウスでは実験に成功して、希望の光はすぐそこまできています[1],[2]。アゾ化合物シストランス光異性化を利用したその輝かしいからくりをここに紹介します。

 


イボレノリドAの単離から全合成まで

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個人的には、今年2012年大河ドラマにあやかって、「天然物世界の平清盛」にふさわしい化合物ではないかと、ちょっとだけ思ったり思わなかったりするのですが、免疫抑制作用を持つ新規な生理活性物質の単離[1]と全合成[1]について紹介します。

それは、アフリカ原産のセンダン科木本Khaya ivorensisから単離されたイボレノリドA(ivorenolide)。機器分析の他、エックス線結晶構造解析と、全合成によって構造が確認されたところによると、炭素間三重結合がつらなったジアルキン構造を持つ18員環化合物です。立体構造を見てみると、ほら、おつむのジアルキン構造の部分がたいらでしょう?

有合化若手セミナーに行ってきました

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tkt.jpg 先週土曜日に慶応大薬学部で行われました「有機合成化学協会関東支部若手セミナー」に参加してきました。

 この手のセミナーとしては珍しく、発表9演題が全て「企業研究者からの発表」でした。就職活動が始まったばかりの修士1年の学生さんには特に興味深い内容だったのではないでしょうか? 

喜多氏新作小説!『美少女教授・桐島統子の事件研究録』

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 寒さが一段と厳しくなってまいりました。今回はそんな年末年始ののんびりできる時期におすすめの1冊を紹介します。これまでケムステでは「ラブ・ケミストリー」「猫色ケミストリー」そして、「ラブ・リプレイ」とほとんど例のない化学を舞台にした小説を執筆されてきた喜多喜久氏の書籍を応援し、紹介させていただきました。この度12月20日に第4弾となる小説を出版されるそうで、またまた本人に登場していただきまして、見所を紹介していただく事になりました。

が、しかしどうやら今回は化学が舞台ではないようで、どちらかというと生化学、いや生物の分野になるのかな?なんにせよ、折角なんでケムステ読者様に紹介させていただきたいと思います!それでは喜多さんどうぞ!

 

 

紹介会社を使った就活

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 就活の始まりは、希望の会社にエントリーするところから始まります。近年はインターネットでの応募をほとんどの会社が採用しているので、リクナビマイナビ日経ナビなどからエントリーするのが始まりです。
では、どうのようにしてエントリーする=入社したい会社を選びますか。
 
①会社の規模。そう考えたあなたは、大手病です。
②会社の事業内容。化学会社はどこも同じような製品を作り、液晶材料や環境にやさしい製品の開発をどの会社でも力を入れて行っています。 
③会社の雰囲気。アットホームとか和気藹藹とかこれまた、どの会社も同じようなことを謳っています。
④勤務地。大抵、全国に研究所や支店があるのでわかりません。
 
私は、2013年卒として就活を行いましたが、最後まで”自分に合った会社の選び方”はわかりませんでした。でも、”紹介会社”を使うことで自分に合った会社を見つけ内定を頂くことができました。今回は、そんな理系の学士や修士、博士の就職を紹介してくれる紹介会社の紹介です。
 
 

ナイトレン

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原子構造における基礎中の基礎、価電子は、分子設計時の鍵。分子内の結合や分子全体の構造、化学的性質を決定づけるため、いかにうまく使うかで、可能性は広がります。

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韓国チームがiPS細胞の作製効率高める化合物を発見

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アンゲバンテ・ケミ―』と言えば、インパクトファクター10超、化学専門誌の中でもハイインパクト雑誌として有名です。2012年9月[1]に、iPS細胞(誘導多能性幹細胞)の作製効率を高める物質が、報告されました。自前のケミカルライブラリーから選抜、構造活性相関を経て構造展開された分子は、C18H15N3O2,原子数38,分子量302の物質です。

※参考:ケムステ記事「化学物質でiPS細胞を作る

ビタミンと金属錯体から合成した人工の酵素

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プラチナPtの他、ロジウムRhルテニウムRuパラジウムPdイリジウムIrオスミウムOs。これら白金族元素に分類される金属は、有機化学合成の分野では触媒材料として、活躍が広く知られています。 しかし、生き物が環境中に希少なこれら金属元素を何かに使うといった報告は、まったく知られていません。

今まで出会わなかったものが出会うとどうなるのか、可能性はまだまだ残されていることでしょう。白金族元素を使った天然には類がない人工酵素を創成し反応を制御しようという試みが、新たに注目を集めています。触媒中心を構築する決め手は、ビタミンの1種、ビオチン(biotin)にあり。


2012年ケムステ人気記事ランキング

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クリスマスも終わり、世の中は2013年に向けて走り出しています。今年も多くの化学好きの訪問者がこの化学者のつぶやきを楽しんでくれました。最近では「下手な論文に掲載されるよりも日本だったらケムステにのった方がうれしい」、「分野や執筆者の視点が様々でさらに多くの知識を得られるようになった」と、意見をいただくようになりました。本年この化学者のつぶやきでは195記事(12月26日現在)の化学に関連する記事を紹介させていただきました。もちろん時事的ニュースに関しては「ケムステニュース」、化学者に関しては「世界の化学者データベース」、分子に関しては「身近な分子」などなどそちらもお忘れなくお願い致します。

さて、少し話はそれましたが、今年の締めくくりとして「化学者のつぶやき」で執筆された記事のなかから、2012年ケムステ人気ランキングと称してトップ10記事+αを公開しちゃいます。どんな記事があったのか、今年を振り返りながらご覧頂ければ幸いです(2012年化学ニュースはケムステニュースにしてお送り致します。予定です。)

 

「年齢を重ねるほど小さくなる生き物」でフェロモンの正体を解明

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GREEN2012diatom1.png 幼稚園児小学生中学生と、わたしたち人間は年齢を重ねるほどに、からだが大きくなっていきます。単純にサイズが大きくなるだけではなく、からだつきもまた、男らしくあるいは女らしく発達していきます。

一方、年齢を重ねるほどにからだが小さくなるというと、わたしたちヒトではフィクションの世界です。でもね、地球上には、例外がいるのです。成長のたびにひとまわり小さくなることが、オトナの階段を登ること。直接的表現で言えば、有性生殖が可能になるということ。そういう生き物が実在するのです。

今まで生活環の調節機構がよく分かっていなかったのですが、秘められた生態の鍵を握る性フェロモンが、最近[2] になって単離され、化学構造が解明されました。

癸巳の年、世紀の大発見

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 皆様、明けましておめでとうございます。2013年、今年の干支癸巳(みずのとみ、きし)ですね。(みずのと、き)は、陰陽五行説で水の陰であり、ここから日本では「みずのと」(水の弟)とも言うようです。(み、し)はご存知「へび」。蛇は穀倉を荒らす鼠を食べる有難い動物で、古来から畏怖と崇拝の対象です。長い体は長寿に通じ、脱皮することが再生や生命力を示すとされます。

 干支は十干十二支で60年周期で同じ干支がやってきます。前回の癸巳、60年前は1953年となりますね。そして1953年といえば、科学史上に惨然と輝く世紀の大発見『DNAの分子構造』がワトソン、クリックにより発表された年であります。

 癸巳の年の始まりにちなんで、ワトソンらの偉業を振り返ってみましょう。

π⊥ back bonding; 逆供与でπ結合が強くなる?!

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遷移金属錯体中では、金属―配位子間に電子相互作用が見られます。

ケイ素半導体加工に使えるイガイな接着剤

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そこに本物になろうという意志があるだけ偽物の方が本物より本物だ 

海辺の岩場にびっしりとへばりついたイガイの集団。海水で常に洗われ、濡れた岩場にどうやってくっついているのでしょうか。この疑問に潜むイガイの秘技を真似した先に、湿気の影響を受けない新たな接着材料が開発されました[5]。半導体素子を含めケイ素材料の加工に特化した、自然のシステムを超越する工夫とはいかに?

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