まずは上記反応精製物を考えてみて下さい。有機化学者を志す者なら答えられますよね?
Org.Lett.の新着論文をチェックしていて、「あれ?これって新しいの?むしろ古いんじゃない?」と思って読んでみたので投稿します。論文はこちら⇒DOI: 10.1021/ol3033303
まずは上記反応精製物を考えてみて下さい。有機化学者を志す者なら答えられますよね?
Org.Lett.の新着論文をチェックしていて、「あれ?これって新しいの?むしろ古いんじゃない?」と思って読んでみたので投稿します。論文はこちら⇒DOI: 10.1021/ol3033303
子供が生まれたらなんて名前をつけようかな。だれしも一度はそんな空想をしたことがあるでしょう。幸運にも良縁に恵まれてすでにお子さんをお持ちの方は、子供に名前をつける際の様々なエピソードをお持ちのことでしょう。“命名”というイベントを通じて真の意味でこの世に新たな生命が誕生したとことになるのです。
自己修復材料はじめ、荷重に応答した反応制御は、近年、注目されている研究分野のひとつです。ジクロロシクロプロパンとベンゼン環の性質を巧妙に活用し、大きな圧力を受けると塩化水素HClを放出する高分子材料が新たに開発されました[1]。
ナマステ chem-station
日本人にとってインドとはどんなイメージでしょうか。日本イコール、寿司、アニメ、侍と同じようにインドイコール、カレー、ガンジス川、仏教でしょうか。数年前から言われるいわゆるBRICsの一角であり、成長著しいインドの化学は世界でどんな位置づけになっているでしょうか。
京都大学理学研究科・中西研および同大学化学研究所・梶研の研究により、Angewndte Chemie International Editionにマシュマロゲル(英名 Marshmallow-like Gel)に関する論文が発表されました。[1]
「何それ!?」もしくは「つい最近どこかで初めて聞いたぞ!」と思った方がほとんどだと思います。
この特徴的な名前、以前はほとんど知られていませんでした。それもそのはず、私が勝手に付けた名前だからです!検索してもこの柔軟多孔性材料ぐらいしかヒットしません。
白くてやわらかい素材等はよく、マシュマロXXXと表現されます。マシュマロという名の製品や、なぜか競走馬だっています。
マシュマロゲルもその例外ではなく、ふにふにふわふわとした触り心地で、学会発表や高校生の体験学習で披露する度に大絶賛の嵐が巻き起こっていました。で、インパクト重視でいいや!ということでこの名前が論文のタイトルにまでなりました。
(以前どこかで読んだ「ティラミス構造?」への対抗意識もあります。)
さてそんなマシュマロゲル、ふざけた名前とは反対にたくさんの優れた特性をもっています。
合成条件はマシュマロを作るよりもよっぽど簡単です。いいことづくしですよね!筆頭著者本人が、論文に書いてある内容を紹介したいと思います。
今アメリカだけでなく、世界中で最もホットな分野になりつつある「シェールガス」。これに纏わる化学物質のついてご紹介します。
皆さんご存知の通り、昨年は各社から続々と電子書籍端末が発売されました。正直待ち疲れていた「電子書籍元年」がついに本格到来したわけです。どこのストアもオープンして間がないため、満足行く品揃えとは言い難い現状ですが、これから充実していく期待は十分持てます。
そんな現状でも「自炊書籍」、つまり手作業で紙の書籍を裁断・スキャンして電子化してしまうことで、電子書籍端末の恩恵に与ることができます。
筆者はiPadで自炊書籍を読みはじめて以来、その便利さにすっかり虜になってしまいました。今回の発売を機に、Kindle Paperwhite 3G (以下KindlePW)も即買い。電子ペーパー製品はタブレットPCと異なり、目が疲れにくい、照り返しが抑えられる、電池の持ちに優れる、薄く軽量と言われており、全くその通りだと実感しています。
さて、自炊小説や漫画を電子ペーパー端末で読む方法についてはほうぼうで語られています。今回はそちらは取り上げず、化学ブログらしく「教科書・参考書を自炊して、電子書籍で読む」ことにスポットを当ててみようと思います。常日頃から情報収集の効率化を必要とする身、「分厚く重たい教科書・参考書を持ち歩く必要がなくなる」「検索性が高く目的の情報にすぐ飛べる」電子書籍には、抗いがたい魅力を感じるわけですね。
英語が苦手な研究者(30代前半)が英語をマスターできるかやってみる企画物の2年目です。さてさて英語はマスターできたでしょうか?
このコーナーでは、直面した困難を克服するべく編み出された、全合成における優れた問題解決とその発想をクイズ形式で紹介してみたいと思います。
第6回は柴崎・金井らによるGarsubellin Aの全合成が題材でした(問題はこちら)。今回はその解答編になります。
Total Synthesis of (+/-)-Garsubellin A.
Kuramochi, A.; Usuda, H.; Yamatsugu, K.; Kanai, M.; Shibasaki, M. J. Am. Chem. Soc. 2005, 127, 14200. DOI: 10.1021/ja055301t
ChemDoodleというソフトウェアをご存知ですか?2008年にリリースされた iChemLabs開発の構造式を書くためのソフトですが、これにはスマートフォンやiPadなどのタブレットで利用できるモバイル版が存在します。
構造式を書くモバイルアプリなら、ChemSpiderなどの有名なものもありますが、このアプリはそれとも一味違います。これの他と異なるすごいところはなんと!書いた構造式のNMRスペクトルをシュミレーション(予測表示)してくれるのです!
今回はそのモバイル版ChemDoodleについて、ご紹介したいと思います。
マーケットの凄いものがスーパーマーケット。
銭湯の凄いものがスーパー銭湯。
マリオの中で凄いマリオがスーパーマリオで、サイヤ人の凄いものがスーパーサイヤ人。
そんなものはみんなが知っていることだと想います。
では問題です凄いパーティクルってなんだとおもいますか?
答えはスーパーパーティクルです。(ででん!)
以下の文を声に出して読んでみてください
中性の水のpHは7である。
今年も受験シーズンがやってきました。センター試験は大きな混乱もなくて良かったです。
さて巷の小学生は現在中学受験真っ盛りです。昨年は東西の男子中学校の横綱、開成中学校と灘中学校の理解の試験問題から化学の問題を紹介させていただきましたが、今年は女子中学校のいわゆる御三家から紹介したいと思います。
ケミカルガール!?
期末試験の終わったがらんとした図書室で化学反応式をいじっていると、シリカさんが入ってきた。彼女はまっすぐに僕のそばまでやってくる。
「芳香環?」
「うん」
視線はまっすぐ僕に向く。
「軌道にπ電子がどう埋まっていくかを考えればすぐにわかる。ヒュッケル則なんて覚える必要ないでしょ」
「いいんだよ、練習しているだけなんだから」
「反応式いじりが好きなら、ベンジン環に置換基をいろいろつけてみると楽しいよ。」
シリカさんは隣の席にすっと座り、耳に口を寄せてささやく。シリカさんは少し変わっている。ベンゼンのことをいつもベンジンと言う。
「配向性って知っているかな?」
「……配向性?」
「ふうん、君、まだ知らないのか」
こういうとき彼女は軽蔑する口調にはならない。ただただ素朴に驚くのだ。君は地面に物が落ちることを知らないのか。そういうニュアンスの驚き。
「例えば…そうだな、アニリンを考えてみるといい。アミノ基の非共有電子対が、ベンジン環状に流れ込むことを考えると、次の3つの共鳴構造が書ける」
「それがいったいどうしたって言うのさ」
「……きみ、意外と頭が固いな。これならどうかな」
そう言ってシリカさんが共鳴構造に印をつけていく。
「あっ、電子密度が、変わってる…」
「そう。ここに求電子剤がやってくるとどうなる?さぁ急げ急げ」
シリカさんはなんて楽しそうに話すんだろう。
「へぇ、オルト体とパラ体しかできないのか」
「君は、芳香環で遊んでいたじゃないか。せっかく遊ぶならいろいろくっつけて、その反応性を考えたほうが楽しいよね?君は一置換ベンジンから3つの共鳴構造を見出せるかな?ヒドロキシ基やニトロ基、その他さまざまな官能基によって作られる3つの共鳴が見えるかな?芳香環上で電子が踊っているのが見えるかな?」
シリカさんは一気にそこまで言うと、にっこり笑った。
「君には、電子のワルツが見えているかな?」
hirosige314さんツイートより転載
かの有名な結城浩『数学ガール』のパロディを、ひとつ引かせていただきました。さながら『ケミカルガール』といったところでしょうか。実を言うとコレ、そんなに最近の文章というわけではなく、ネットに落ち流れてしばらく経つのですが、久しぶりに読み返して秀逸なツイートについなんだか感動してしまいました。わたしの心の中にだけある全米フォルダが号泣です。
というわけで(?)、芳香族化合物のおはなしです。
大御所「我々の触媒は反応を円滑に進行させぇ、添加剤の有無で選択性を逆転できる事がわかりました」
聴衆 「おぉ〜、素晴らしい」
大御所「反応メカニズムですが、このような機構だと考えております。」
聴衆 「なるほど、なるほど」
大御所「さらにDFT計算で遷移状態構造が得られており、選択制が逆転する機構を明らかにしました。」
聴衆 「...なな、なるほどぉ??」
オレ 「意義あり!! 添加剤有りの時だけ遷移状態に無理がありすぎるのでは?」
大御所「いや、計算専門の人にやって貰って出た構造だから」
オレ 「添加剤有無のTSのエネルギー差は選択性に妥当?虚数解の振動方向は?IRC見せてよ?」
大御所「?? 人にやらせた事だから、よく解らないんだよねぇ」
オレ ((((;゚Д゚)))) 大爆発 ( ´Д`)=3 「ちゃうやろ!反応機構が間違っとる!!」
似たような場面に遭遇した方、居ないでしょうか?上記はフィクションですが、ある日の私の心象風景です。
紙と鉛筆で書ける反応機構なら、散々あーでもないこーでもない、お前のは間違っとると議論するのに、ここに「計算で出た遷移状態」というのが示されるとみんな静かに「なるほどぉ」と唱えて、「計算で出てるんなら合ってるんだろうね」と思考停止しちゃう。遷移状態無双かっ!葵の御紋かっ!!
主 催: 公益財団法人国際科学技術財団
会 期: 2013年4月25日(木) 18:30-20:30
会 場: 東京大学伊藤国際学術研究センター「伊藤謝恩ホール」テーマ:デジタル社会を支える化学増幅レジスト(仮)
講 師:グラント・ウイルソン博士(アメリカ) テキサス大学オースチン校 教授
ジャン・フレシィエ博士(アメリカ) アブドラ国王科学技術大学 副学長
テーマ:深海生態系の神秘を探る(仮)
講 師:ジョン・フレデリック・グラッスル博士(アメリカ) ニュージャージー州立ラトガース大学 名誉教授
今年度センター試験より
2013年のセンター試験の問題はもう確認しましたか。今年度も突飛な出題はなく、問題の難易度は例年なみというのが、大手予備校の評価のようです。
安全パイな定番の出題ばかりでネタに事欠き記事にしにくいんですけど。
とりあえず、ポリ塩化ビニルが出題されていたので、教科書には載っていない、身の回りに役立つまでの開発秘話でも、フォローしようかと思います。「可塑剤」ってなぁに?
筆者の稼業はれっきとした大学教員(化学者)です。毎日実験ばかりしてるイメージをお持ちの方も多いかもしれません。
しかし前にも少し書きましたが、実態はそうでもありません。実にたくさんの文章を書く機会に遭遇します。グラントの申請書、論文、学会要旨、報告書という成果直結型の文章に加え、学生のもってくる文章・エントリーシート・学振申請書の添削、はたまたメールの返信、インターネット検索etc・・・毎日毎日、数えきれない種類の文章書きに馬鹿にならない時間を費やしているわけです。
当然ながらこれらはすべてPC上で行われます。今の時代、手書きの機会は本当に減りました。つまり事務処理能率を規定するのは、他でもない自分のタイピング速度というわけです。この速度が速ければ速いほど雑務に割くべき時間を少なくできるわけで、高速タイピング=研究者の生産性向上に直結する重要なスキルたることは間違いありません。
そこでこのシリーズでは、日々の雑務ストレス軽減、生産性向上に役立つ「高速タイピングの訓練法」について、筆者の体験を元に解説していこうかと思います。生産性向上・空き時間確保のためと思って習得してみましょう! それだけの価値あるスキルだと思います。
いつもながら本ブログの読者がどれほど興味をもつか謎な記事ではありますが(苦笑)、「化学研究ライフハック」の一貫だと、ともかく捉えて頂ければ幸いです。