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Channel: 化学者のつぶやき -Chem-Station-
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Wiiで育てる科学の心

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今や一家に一台はあるであろう任天堂のWiiであるが,ゲーム以外の機能を楽しんでいる人はどれくらいであろうか?

「Wiiの中にあるもう一つのお茶の間」としてインターネットを利用したWiiチャンネルの一つにあるwiiの間というものをご存知であろうか。そこで放映されている、大人も子供も楽しめる、しかも視聴料無料のとてもすばらしい科学番組を紹介する。090925wii.jpg

 


MacでChem3Dー新たなる希望ー

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有機化学者のキラーアプリと言えばChemDrawですよね。筆者も大学四年生の時から利用しています。当時はChemDrawのためにMacintoshを導入した研究室も多いのではないでしょうか。しかしその後Windowsにも対応し、現在ではWindows版の方が厚遇されており、ようやく使い物になるようになりましたが Mac版では不具合が多かったのは以前ご紹介された通りです(記事:Macユーザーに朗報?ChemDrawバージョンアップ)。何よりも不便なのがChem3D(現行はChemBio3D)が完全にWindows専用になってしまったこと。筆者は大学の講義で3Dを利用したい時はWindows機を持ち出しておりましたが、この不便な現状をなんとかしたいと常々思っており、試行錯誤の末不格好ではありますがなんとか使える術を見いだしました。

 

化学のちからで抗体医薬を武装する

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化学者の総力をあげても新しいリード化合物は見つからない!? それでも創薬における化学の役割は健在のはず。今回は、化学らしさをまとったアプローチで注目の武装抗体について紹介します。

化学と生物学が交差するとき物語は始まる

冬虫夏草由来の画期的新薬がこん平さんを救う?ーFTY720

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 FTY1.gif 多発性硬化症(以下MS)という病気をご存知でしょうか?MSは中枢・視神経系の脱髄から様々な神経症状がおこる原因不明の難病で、自己免疫疾患の一つと考えられています。もう少し簡単に説明すると、本来外敵を攻撃するために備わっている免疫細胞が、自身の神経細胞(正確にはミエリンと呼ばれる神経と神経とを結ぶ電線の役割をする部分)を攻撃してしまうことで、様々な神経症状を引き起こす病気です。なぜ自己の免疫細胞が自己を攻撃してしまうのかがわかっていない原因不明の部分であります。

 日本国内における罹患率は約1万人に一人。国内患者数は約1万4千人。笑点の林家こん平さんがMSを発症し、現在笑点を降板していることでも有名です。

 この病気に対する注目の低分子薬(経口薬)が発売されたのでちょっと専門的になりますが少し説明したいと思います。

 

フロリゲンが花咲かせる新局面

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栽培しやすい農作物をもとめて、人類は有史以前からかけあわせを行ってきました。しかしながら、とくに果樹で顕著ですが「桃栗三年柿八年」のことわざにもある通り、ひとりの人間の限られたはかない生涯の中で、そう何度も何度も植物をかけあわせることはできません。ただ鑑賞用の花を提供するだけではなく、品種改良のスピードをあげ食物増産をも可能にするという点で、「(flower)を生じる(generate)もの」=「フロリゲン(florigen)」は注目の研究対象でした。イメージとしては「花咲かじいさんの灰」のような生理活性を持った物質です。  

(結晶構造解析データの出力はProtein Date Bankより)

ケムステスタッフ徹底紹介!

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最近まともに記事を執筆できない代表です。現在、それに反してケムステでは続々と新しいタイプの記事がアップされていることにお気づきになっていますでしょうか。記事「近況報告PartI」で述べたように本年10月に行いましたスタッフ募集で40人超のスタッフ希望メールをいただきまして(ありがとがとうございます!)、そこから実際に執筆していただいた方のみをカウントすると、スタッフ数がなんと50名を超えました(まだまだ募集しています。ご希望の方はお気軽に「スタッフ募集について」)。

そこで、今回どんな人がケムステに参加し、記事を書いているのか統計的なデータも含めまして皆様に紹介したいと思います。

DNAのもとは隕石とともに

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万物の霊長とされるヒトから、顕微鏡でなければ見ることのできない微生物まで、地球上の生命は、水素・炭素・窒素・酸素・リンの5元素からなるDNAと呼ばれる高分子に遺伝情報をゆだねています。このDNAのもとが、天空を裂いて地球に訪れた隕石から検出されたという話題について紹介します。 

アメリカ化学留学 "大まかな流れ 編"

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アメリカ留学シリーズです。

まずアメリカのPh.D.コースというのは日本の博士課程と何が違うのかというのを大まかに書いていこうと思います。

(この文章で書かれるケースはあくまで北米の1大学のケースを基にしていて、すべての大学がこのシステムに準じるものではありません。あくまで参考程度に読んでください)


有機合成化学総合講演会@静岡県立大

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 12月17日に静岡県立大の菅敏幸先生主宰で行われた有機合成総合講演会でお話ししてきました。この講演会は化学同人で絶賛発売中の天然物合成で活躍した反応の査読委員を集めて講演会を開こうという菅先生の提案で始まったものです。筆者も含めて8人の40歳以下の若手合成化学者が全国から静岡に集まりました。とても面白く、折角なんで事後レポートをさせていただきたいと思います。

最後に残ったストリゴラクトン

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ストリゴラクトンと寄生植物ストライガ 

 

オーキシンジベレリンアブシシン酸ジャスモン酸エチレンブラシノステロイドサイトカイニンといったように、植物の成長を調節する低分子化合物が、いくつか知られています。これら植物ホルモンの受容体タンパク質は、シロイヌナズナのゲノム解読と前後して、急速に解明されてきました。受容体タンパク質かどうか、決定的な証拠となる結晶構造解析のデータも、最近になって揃いました。

しかし、植物を研究している人間ならば、植物ホルモンとして、その機能を認めようとしない者はいないと断言できるほど重要なメンバーが、ひとつだけまだ取り残されています。最後に残った道しるべ.ストリゴラクトンに、受容体タンパク質解明の明かりが灯されるのは、もうしばらくのことでしょうか。 

口頭発表での緊張しない6つのヒント

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みなさんは学会等での口頭発表では緊張しますか?おそらく全く緊張しない人はほとんどいないかと思います。かくゆう筆者もかなり緊張してしまいます。緊張の度合いとしては10人に1人の逸材ではないかと思っています・・・。まあさすがに最近は緊張から現れる「症状」は出にくくなってきていますが、症状としては、

 

1.心臓が壊れるのではと思うほどドキドキする。

2.喉が渇いて狭くなり、変な声が出る、声が出なくなる。

3.舌が回らない。

4.地面がぐらぐら、ふわふわする。

5.視界が狭くなる。

6.セリフの忘却。

 

などがあります。緊張が聞き手に伝わってしまうと会場がやや変な空気になってしまいまうことを感じて更に緊張してしまいますね。これらを簡単に表現するとカイジの“ざわざわ”の状態に近いのではないかと思います。そういったわけで緊張をほぐすためにいくつか試してきた中で効果があるのではないかと思っていることを紹介します(ただしそれでも緊張するのであんまり効果は無いのかもせれませんが)。もし緊張に悩んでいる学生さんがいましたら参考にしてもらえたらいいなと思います。

 

2011年人気記事ランキング

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 みなさん年末をいかがおすごしでしょうか。今年もケムステの人気コンテンツ「化学者のつぶやき」をご愛読頂きましてありがとうございました。今年は151記事の化学に関する"つぶやき"を行うことができました。様々な出来事はありましたがそれは今年の10大ニュースに回すとして(まだつくってません)、2011年に人気のあった記事を一挙公開させていただきたいと思います。今年の化学をトピックを振り返ってみてください。

 

天然バナジウム化合物 アマバジン

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金属元素のひとつバナジウムの元素記号は「V」。周期表では第5族の位置にあります。5のギリシャ数字も、バナジウムの元素記号も、似たような形の文字で、面白い偶然の一致です。このバナジウムは、材料化学の分野でも面白い話題がたくさんあるものの、今回は天然物化学の分野からアマバジンと呼ばれる物質を紹介します。

「優れた研究テーマ」はどう選ぶべき?

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 「科学者として取り組むべき研究テーマは、どういう指針で選ぶべきなのか?」―これは研究者なら誰しも頭を悩ませる問題でしょう。プロとして現実的に生き残っていくためには、純粋興味のみに依るのではなく、ある程度現実を見据えたテーマ設定が求められることも多くあるからです。また必ずしも研究者を第一志望としてないような学生たちであっても、適切なテーマを与えてやることは、彼らの成長という教育的観点からも意義深いことなのです。

 "How to Choose a Good Scientific Problem"(by Uri Alon, Molecular Cell, 2009, 35, 726[PDF]は、「優れたテーマ選びは、人材育成の一環である」という観点から研究テーマ選びの指針を示したエッセイです。数ページ程度の短文ながら、分野を問わず共通する骨太の内容が述べられています。駆け出しの独立研究者(PI)が想定読者のようですが、経験の浅いメンバーを指導する立場にあり、プロジェクトを牽引することを求められる博士学生・ポスドク・若手スタッフにとっても、必読の文章であると思います。

 今回はこの文章から、エッセンス抽出して紹介してみようと思います。
 

エチレンを離して!

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フロンティア軌道論とは、反応に関与する軌道の位相・対称性・電子密度によって分子間反応が支配されていることを説明する量子化学であり、Roald Hoffmann氏福井謙一氏らは、この理論を確立した業績によって1981年にノーベル賞を受賞しています。

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またWoodward-Hoffmann則(経験則)は、このフロンティア軌道論を基に提唱されています。

 

すべてがFになる

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サイズは小さいわりに自己主張が極めて強いフッ素は、医薬品など薬剤開発の場面でキーとなる原子です。そのため、トリフルオロメチル基(-CF3)を穏和な条件で導入する反応には、大きな需要があります。メチル基(-CH3)のH 3つすべてがFになる、そんなデザインを可能にする画期的な反応が開発されたため、ここに紹介します。

カイコが紡ぐクモの糸

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絹と言えばシルクのとしてもおなじみですが、絹糸は手術の縫合糸など他にもいろいろな場面で使われています。通気や透湿に優れ、肌とよくなじむことに加えて、細さの割に優れた強靭さが、絹糸の特徴です。

このように、ただでさえ十分な魅力を持った繊維である絹糸ですが、これを凌駕する新材料、クモの糸について、画期的な手法が開発[1]されたため、ここに紹介します。 

で、その研究はなんの役に立つの?

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 例えばそこの貴方。合コンで初めてあった女の子や久しぶりの親戚と、自己紹介や近況報告から自分の研究の話題になったとします。そして「どんな研究しているの?」から始まった会話は80%(もっと高いかも)の確率で「その研究はどういう役に立つの?」「どういう製品になっていく研究なの?」...そんな流れ何処かで聞いたことありませんか。特にお正月はこんな話題、多かったんじゃないでしょうか?

今回はあまり化学と関係無いですが、こんな質問にどう答えたらよいか?考えてみたいと思います。

アイディア創出のインセンティブ~KAKENデータベースの利用法

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最近は、ありとあらゆる研究に関する情報が容易に入手可能になり、研究者に対する研究情報基盤が確立されつつあります。その中で、公的機関が提供する"まじめで正確な"情報源は有用なものがあります。

今回は、公共のデータベースを活用した、研究費申請のアイディア創出の参考、刺激になるひとつの方法を紹介したいと思います。

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カゴの中の鳥にパイ電子雲がタッチ

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よく考えるとベンゼンはなかなか面白い分子であり、それにも関わらずベンゼン環は生物・無生物を問わずいろいろな場面で登場する構造です。ベンゼン環の性質のいくつかは、芳香環の面と垂直に分布し相互に共鳴したパイ電子の影響を、色濃く受けています。

今回は、芳香環のパイ電子雲に注目して設計したカゴの中に、双性イオンをおさめた報告を紹介します[1] 

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