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Channel: 化学者のつぶやき -Chem-Station-
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目指せ!フェロモンでリア充生活

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フェロモンと聞くと真っ先に思いつくのはどんなイメージでしょうか?なんとなくいかがわしい感じとか、お色気とか一般的には少しアングラな感じで捉えられているかと思います。フェロモン(pheromone)とは、ギリシア語で運ぶという意味の’pherein’と興奮を表す’horman’から作られた造語です。

理化学事典によるとフェロモンとは、“微量で動物の特定行動を誘起する物質” として定義されていますがこれでは少し説明不足であり、“同一種の個体に作用する”という定義も忘れてはいけません。同一種の異性を惹きつけたり、仲間を呼んだりするのに用いられる物質と考えるならば、リア充生活を営むための必須アイテムであると言えます。


NaHの水素原子の酸化数は?

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2012年 センター試験より

センター試験、こういうほんのちょっとだけ考える趣向の出題形式が好きみたいですね。雰囲気で酸化還元反応っぽいと判断するのではなく、酸化数を考えて解くというのが、セオリーです。

酸化還元反応にまつわる出題は他の年でもセンター試験に出題されています(クリックで拡大)。

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2011年 センター試験より 2008年 センター試験より 

 

ではでは、次のケムステオリジナル問題はどう答えますか?

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よーく考えてくださいね。

今度こそ目指せ!フェロモンでリア充生活

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皆様大変長らくお待たせ致しました。前回のポストの続きです。今回は私達ヒトを含めたほ乳類フェロモンを紹介いたします。ほ乳類に関しては残念なことに、必ずしも多くが解明されているわけではありません。昆虫フェロモンの場合とは異なり、ほ乳類はたくさん個体を集めてきて該当の器官を切除しまとめて抽出という操作が困難なので、交尾を誘発したり、異性を興奮させる性フェロモンを同定するためのサンプルを得る事が必ずしも容易で無いことが理由の一つであると考えられます。

 

2012年Wolf化学賞はナノケミストリーのLieber博士,Alivisatos博士に!

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1月に発表されたWolf化学賞ですが、2012年はUniv. HarverdのCharles Lieber博士、UC BerkreyのPaul Alivisatos博士に授与されました。[1]

Wolf賞とはイスラエルのWolf財団が設立した賞で、ノーベル賞に匹敵する権威ある賞とされています。日本では野依良治先生なども受賞されております。これまでノーベル賞を初めとした大型の賞レースではナノケミストリー周りの受賞者は少なかったのですが、今回の受賞はそのジンクスを破る結果です。

受賞理由はPaul Alivisatos博士が、ナノクリスタルの合成方法の確立とその潜在的可能性を示したこと。Charles Lieber博士がナノワイヤーの開拓とその先駆的な有用性の研究、(筆者要約)とのことです。[1]両者とも、この分野を牽引する研究者で、また大学での研究のみならず、多方面で活躍しています。、ケムステでも昨年のノーベル賞候補者に挙げさせていただきました(参照:ノーベル化学賞2011候補者まとめ)。今回は記念として彼らの足跡を簡単に紹介したいと思います。

Dead Endを回避せよ!「全合成・極限からの一手」③

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「極限からの一手」コーナーでは筆者の独断と偏見に基づき、全合成における優れた問題解決とその発想を紹介してみたいと思います。困難に直面した全合成化学者がいかにして創造的発想からの解決に至ったか、それを追体験できるようなクイズ形式にしています。

第3回は、北海道大学の白濱晴久らによる(-)-Grayanotoxin IIIの全合成(1994)を紹介したいと思います。

(※過去の問題はこちら:

留学せずに英語をマスターできるかやってみた(1年目)

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みなさん英語は得意ですか?筆者は不得意です。研究者ですので論文は読みますし執筆もしますが、話せないですし聞き取ることがうまくできません。

 

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これまでにも何度か英語の勉強をしたことはあるのですが、あまり英語を使う必要がない環境だったこともあり、全く上達しないまま止めてしまうということを繰り返していました。今思うと“まあ卒業後にポスドクとして留学すれば英語なんて簡単にできるようになるだろう”という考えがあったように思います。ところが頼りにしていた留学の機会を逸してしまい、気がつけば英語のできない大人になっていました。

30歳を超えてさすがに焦りが出てきましたし、英語ができると留学で得るものが大きいと聞きますので、約1年前から英語の勉強をはじめてみました。さて英語が不得意な研究者の英語力は向上したのでしょうか。

学会会場でiPadを活用する①~手書きの講演ノートを取ろう!~

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来る3月末には化学系で日本最大の学会、日本化学会春季年会が開催されます。他にもたくさん学会が催される時期ですが、要旨がデジタルメディアで配布されるなども普通になり、デジタル時代の到来を感じます。

そんなさなか、個人所有のデジタルデバイスを講演会場に持ち込む風景も、日常になりつつ有ります。特に近年のタブレットPCの普及率は眼を見張るばかり。筆者も潮流に置いていかれぬよう(というより、ソフトバンクの引き止め策略に従う形で)iPad2を手に入れました。いろいろ使用法を模索している最中ですが、やはりプレゼンツールとして優れており、普段使いよりは出先にて圧倒的威力を発揮するデバイスと感じています。会場で配布される「学会カバン」に入れて運べるほどコンパクトであり、今や手放せません。

というわけでこのシリーズでは、学会会場でiPadを活用する方法について紹介していきたいと思います。今回は「iPadで手書き講演ノートを取る」がテーマです。

書物から学ぶ有機化学4

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 だいぶ寒くなってまいりました。この時期は会社も大学もとても忙しい時期です。風邪などの病気にはくれぐれも気を付けてください。

 さて、この「書物から学ぶ有機化学」はあまり好評ではありませんが、自己満足で4回目に突入です(笑)。過去の記事も読んで頂けたら嬉しいです。


Dead Endを回避せよ!「全合成・極限からの一手」③(解答編)

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このコーナーでは、直面した困難を克服するべく編み出された、全合成における優れた問題解決とその発想をクイズ形式で紹介してみたいと思います。

第3回は白濱晴久らによる(-)-Grayanotoxin IIIの全合成を取り上げました(問題はこちら)。今回はその解答編になります。

Total Synthesis of (+)-Grayanotoxin III
Kan, T.; Hosokawa, S.; Nara, S.; Oikawa, M.; Ito, S.; Matsuda, F.; Shirahama, H. J. Org. Chem. 1994, 59, 5532. doi:10.1021/jo00098a009

DNAナノテクノロジーで反応探索に挑戦

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流行りのDNAナノテクノロジーから、分かりやすそうで化学合成の観点から興味深いものをひとつ紹介します。

まったく新たな反応法の開発は、ほとんど偶然にもとづいていて、その内容もかたよっていました。例えば、全合成の何かを作る過程で、たまたま気づいた副反応が、やがてブレークスルーになる、などなど。しかし、「まさかその組み合わせで!?」のまさかを、もっと系統だった方法で探し出せないものでしょうか。

あふぅ……疲れるのとか好きじゃないから楽ちんな感じで反応が探索できたらいいなって思うな …… 

中学入試における化学を調べてみた

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今年のセンター試験は制度変更に伴い少し混乱があったようですが、受験生のみなさんはほっと一息ともいかず本番の大学入試までもう少しということで最後の追い込み中だと思います。

しかし、中学受験をする小学生は一足早くただいま試験期間真っ只中です。という訳で、難関と言われる中学入試の理科の問題、中でもどんな化学の問題が出題されているのか気になったので少し調べてみました。

 

【書籍】10分間ミステリー

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『このミステリーがすごい!』大賞10周年記念 10分間ミステリー (宝島SUGOI文庫)

 

 海堂尊、浅倉卓弥、中山七里、柚月裕子、高橋由太、七尾与史などを輩出してきたミステリー新人賞『このミステリーがすごい!』大賞。創設10周年を記念して、原稿用紙10枚の、オール書き下ろしミステリーをお届けします。1編10分で楽しめてしまうベスト・ショート・ミステリー、28本! 謎解きあり、ユーモアあり、サスペンスありのお得な一冊。前述の作家をはじめ、『このミス』大賞作家が勢ぞろいです。

ん?なんでこの本をここで?と疑問に感じた方が多いと思われますが、「。化学者の"つぶやき"なんで大丈夫だ、問題ない。」

...といいたいところですが、今回は少しだけ関係があるのです。2011年の化学系小説ベストセラー、喜多 喜久氏のラブ・ケミストリー(略して「ラブケミ」)を覚えていますでしょうか。化学描写が頻出する、いや、でまくりの恋愛ミステリー小説ということで、ケムステでも盛大に応援させていただきました。ついでに、果敢にも著者に連絡をさせていただき、独占インタビューを行いました(過去記事:「ラブ・ケミストリー」の著者にインタビューしました。)。この作品に登場する「化学界のフェルマーの定理」と呼ばれる架空の天然物プランクスタリンが、筆者が合成に携わっていたパラウアミンがモデルになっていたということもありまして、とってもうれしかった記憶があります。

 その喜多氏から先日連絡がありまして、書き下ろしの短編が掲載された短編集が出版されることのこと、さらにできたての短編小説をメールにて添付していただきました。そういうわけで、この短篇集「10分間ミステリー」の紹介に至ったわけです。ついでに、前回インタビューでも続編期待!ということで〆ましたが、しつこく聞いたところ近々出版される続編情報も入手しましたのでケムステ読者のみなさまにいち早くお知らせしたいと思います(ちゃんと許可はとっております)。

 

 

アメリカ化学留学 "入学審査 編"!

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アメリカ留学シリーズです。

今回は大学院入学を審査される際に必要な書類を挙げていこうかと思います。日本の大学受験などとは違い、基本的には書類選考のみで合否が判定されます。いまは基本全てオンラインで提出できます。具体的に必要な書類や幾つかのコツを語っていこうと思います。

 

具体的に必要な書類は

 

① 英語の能力を証明する書類(GREやTOEFLの成績)

② 専門の能力を証明する書類(授業の成績評価やGRE Subjectの成績)

③ 自分がナニモノかというのを証明する書類(研究計画書的なエッセイや先生からの推薦状)

 

です。

 

プロセス化学ー合成化学の限界に挑戦するー

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皆さんは「プロセス化学」と聞いて何を思い浮かべるでしょうか?

 

周りの人からよく聞くのは

「収率あげるんですよね?」

「結晶化が大事なんですよね?」

「でかいスケールで反応を仕込むんですよね?」

 

どれもプロセス化学の一部を表してはいますが、そのイメージは大分本質と乖離があるように感じます。(かくいう私も実際にプロセス化学の仕事に携わるまでは、上述のようなイメージ程度しか持っておりませんでした)

そこで、今回は医薬品の化学合成を例にとってプロセス化学について少し紹介させて頂きます!

 

 

   

地球温暖化が食物連鎖に影響 - 生態化学量論の視点から

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うわー、タイトルで閲覧者数、減りそう(苦笑)。それでも、この言葉を紹介したかったんです……生態化学量論(ecological stoichiometry)。気になった方は続きをぜひチェック、です。


アズレンの蒼い旅路

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アズレンは、炭素数10・水素数8の炭化水素であり、非ベンゼン系芳香族化合物の代表格のひとつにして、鮮やかな青色が特徴の物質です。アズレンとナフタレン構造異性体の関係にあることを思い出すと、なぜ色がつくのかなかなか考察し甲斐がありますが、それはさておき、このアズレン構造を持ったオモシロ化合物をいくつか紹介していきましょう。

波面が揺らぐ触れ合った先の青い電流     濃紺の星空にアズレンが光の矢を放つ 

私が思う化学史上最大の成果-1

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 突然ですが、皆さんは化学史上、人類に「最大のインパクト」を与え、今なお与えている成果は何だと思われているでしょうか? 抗生物質の発見、DNAの構造特定、全合成の方法論、高分子の存在発見とその合成・・・候補は枚挙に暇が無いと思われますが、自分は敢えて『Haber-Bosch法の発見と量産化』を挙げます。

私が思う化学史上最大の成果-2

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 さて「私が思う化学史上最大の成果」。前回の続きとなります。

 本書の内容は大きく4部に分かれ、本当にざっくりと記述すると

A.人類がどのように肥料を得てきたか~南米硝石の争奪戦と枯渇

B.Haberのラボプラント実証~Boschによる量産化の苦闘

C.第一次世界大戦に組み込まれた化学工業

D.第二次世界大戦に突き進むドイツの中でのHaber、Bosch二人の苦悩

 

のようになります。さて、このうちBのHaber-Bosch法の実証~量産化をさらに詳細に見ていきますと、大きく次の5つのハードルがありました。

「科学者の科学離れ」ってなんだろう?

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 今に始まったことではありませんが、理科離れ、あるいは科学離れという言葉をよく耳にします。それは小学生・中学生といった子供たちが科学に興味を持たなくなっているという話。

 ところが最近では、「科学者の科学離れ」が進んでいるというのです。

 

 これはいったいどういうこと?

物凄く狭い場所での化学

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あなたが赤いハイヒールを履いた綺麗なお姉さんと話す機会があったとします。そしてそのお姉さんにハイヒールで思いっきり足を踏まれます。その瞬間あなたの足には約0.01GPaの圧力がかかっていることになります。

人間界では0.01GPaの圧力を足にかけると、人は「痛がる」という挙動を示します。それでは分子やナノクリスタルに圧力をかけると一体どのような挙動を示すのでしょうか?今回はわりと大局的に最近の研究を紹介していこうと思います。

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