Quantcast
Channel: 化学者のつぶやき -Chem-Station-
Viewing all 502 articles
Browse latest View live

低投資で効率的な英語学習~有用な教材は身近にある!

$
0
0

 

”英語”に困っているのは化学者に限らないけれども、英語が嫌いな(苦手な)化学者が多いのが現実。

それでも必要に迫られて、何とかしようと、英会話教室に行ったり本屋で教材を衝動買いしているものの、なかなか身につかない。

そこで今回は、英語を勉強するポイントである、

1)そもそも知らない単語は聞こえない(理解できない)

2)聞こえることと理解することは別の話

の2点を少々のがんばりで効率的にクリアするために、いかにお金をかけずに、そこら中にありふれた教材でいかに学ぶかについて、ご提案いたします。

matu155.jpg


ACS Macro Letters創刊!

$
0
0

MacroLett1.jpgアメリカ化学会(ACS)の高分子科学専門誌であるMacromoleculesのCommunications部分が独立して、高分子科学のCommunications専門誌となるACS Macro Lettersが2012年1月から創刊されました。

Macro LettersのEditorや取り扱う領域は、基本的にMacromoleculesと同じです。Macromoleculesで取り扱う論文が多くなりすぎたので、Communicationsだけを独立させてMacro Lettersを創刊…といったところでしょうか。ただし、Notesは変わらずMacromoleculesに掲載し続けるようです。

「社会との関係を見直せ」とはどういうことか

$
0
0

whitesides.jpg

今回は現代化学の巨人、G.M.WhitesidesのNatureへの寄稿文のご紹介を致します(ご本人の写真はこちらより引用)。

ホウ素と窒素で何を運ぶ?

$
0
0

GREEN02310.PNG

炭素と水素とホウ素と窒素からなる一見すると単純な化合物ですが、興味深い用途が提案されています。この化合物をあなたは何に使いますか?

 

1つめのヒントです。ホウ素や窒素の電子配置を考えての通り、実際は5員環のかたちの方が自然かもしれません。そして、先ほどの化合物は常温常圧で液体です。

GREEN02320.PNG

2つめのヒントです。3分子のこの化合物が集まると、化学変化して次のような化合物ができます。こうして、できあがった化合物も常温常圧で液体です。

GREEN02330.PNG

最後のヒントです。3分子が反応して新しく1分子になる過程で何か放出されますよね。

アメリカ化学留学 "立志編 ーアメリカに行く前に用意すること?ー"!

$
0
0

risshihen.png

 

アメリカ留学シリーズです。 今回は留学前の心構え的なことを書こうかなと思います。というのも僕はいわゆる大学院留学は凄い敷居低い留学方法だと思っています。だから留学していることを過度に自負している留学経験者や、「留学する人はこうでなくてはいけない!」みたいなアドバイスをする人に対してちょっとした違和感というか、はなもちならなさをというか、なんていうかそんなことでビビらせる必要はないのになぁというかというのを感じることがあります。

 

そんな訳で今回は日本で化学を専攻していた場合、大学院ルートでの留学がいかに“ライフハック”であるか、ということを書いていきたいです。

THE PHD MOVIE

UCLAにおける死亡事故で指導教授が刑事告訴される

$
0
0

 

anzen.png

 

有機化学美術館さんでも紹介されておりましたが、今月のnatureダイジェスト誌にカリフォルニア大ロサンゼルス校(以下UCLA)で起きた化学実験中に起きた死亡事故に関する続報が掲載されていました。報道によれば、事故から丸3年が経過しようとした2011年12月27日、死亡した研究助手の所属研究室のPatrick Harran教授と、カリフォルニア大学理事をカリフォルニア州の地方検察局が、「労働安全衛生基準の意図的な違反により被用者を死亡せしめた」として刑事告発したとのことです。

 

窒素固定をめぐって-1

$
0
0

title.jpg

(Katalco社資料より引用)

 今度こそ本当に前回の続き。Haber-Bosch法をめぐるお話を続けていきます。少々長くなりますが、お付き合いください。


プラナーボラン - 有機エレクトロニクス界に期待の新化合物

$
0
0

hirataihouso20110229.jpg

ホウ素の化学に関する記事はケムステでもよく投稿されており、求核性のあるホウ素化合物の記事(その1)(その2)フラストレイテッドルイスペア(FLP)(その1)(その2)、あるいはユニークな反応性のあるトリスペンタフルオロボラン(FLPでよく使われていますが)など、私がパッと思いつくだけでも記憶に残っている記事とその出典元の仕事はたくさんあります。今回は上記の化学に負けず劣らず「化学の発明は素晴らしい!」と思わせてくれる化学をご紹介します。それはズバリ、平面構造を固定化したホウ素、平たく言えば、平たいホウ素化合物です。以下、古代ローマ市民の顔のように平たくない解説をいたします。

ドーパミンで音楽にシビれる

$
0
0

GREEN031400.PNG

Google Chrome 「あなたのウェブを、はじめよう」キャンペーンCMで使われた『Tell Your World』のミニアルバムが2012年3月14日に発売とのこと。世界217の国と地域で配信を達成したのは、ご存じ、電子の歌姫「初音ミク」でした。作曲に加え、プログラムをはじめ初音ミク開発に携わった方々へも敬意を表しつつ、このニュースにちなんで音楽(と やっぱり化学)の話題でも紹介します。

ボーカロイド化学ソングについては過去にいくつかの記事(組曲『ノーベル化学賞』ケミストリ・ソングスなど)がありますが、音楽と化学の接点と言えばアレクサンドル・ボロディンも有名です。カルボン酸の銀塩に臭素を作用させ脱炭酸を経てブロモ化アルキルを得るボロディン反応に名を残したボロディンは、作曲家としても知られています。ボロディンの代表作『韃靼人の踊り(Polovtsian Dances )』は、音楽に詳しくなくても、どこかで聞いたことがある曲かもしれません。ボロディンのような例を考えると、ふと芸術と学術の間には何か共通のセンスがあるのかなと、思ってしまいます。

今回の記事では、100年以上昔のボロディンにまつわる話ではなく、物質の面から科学は音楽にどう迫ったのか、ほんのここ数年で明らかにされてきた内容を紹介します。

初音ミク『Tell Your World』を聴いているときにも、あなたの脳細胞で物質はやりとりされています。 音楽に感動してシビれた刹那に何が起こるのか、真相の鍵はドーパミンと呼ばれる化合物です。

 

おおおおおGoogle Chrome キャンペーンCM

ナノの世界に朗報?!-コラニュレンのkg合成-

$
0
0

 

 

150px-Corannulene3D.png

Figure 1. Corannulene

(wikipediaより引用)

 

フラーレンカーボンナノチューブ、グラフェン、コラニュレン、ピレン、コロネン。有機化学者に限らず炭素が大好きな科学者の方なら、どれも一度は聞いたことがある化合物ではないでしょうか?これらの化合物はその特異な構造的・科学的特徴から様々な分野での応用が期待されている化合物群であり、次世代マテリアルサイエンスの中核をなす化合物群です。

しかしながら、これらの化合物の応用という話をするとき大きな障壁として、よく立ちはだかるのは量的供給をどうするかという問題です。実際、どんなに世の中の役に立つようなものでも必要量の供給が出来なければ、その恩恵を多くの人に届けることは難しいというのは事実です。

量を供給ができないために研究が進まないということもしばしば聞く話であり、分野の発展には避けては通れない道となりますモノ作りの匠と銘打つ合成化学者としては、この問題はその威信に賭けて解決すべき問題なのではないでしょうか。

そこで今回は、コラニュレンのキログラムスケールでの合成が可能になったという論文を紹介したいと思います!

 
Kilogram-Scale Production of Corannulene
Anna M Butterfield, Buruno Gilomen, and Jay S. Siegel
Org. Process. Res. Dev., Just Accepted. doi. 10.1021/op200387s
 
 

 

【読者特典】第92回日本化学会付設展示会を楽しもう!

$
0
0

nenkai2012top.png

 さて、そろそろ1年に一度の化学の祭典(?)、日本化学会春季年会が近づいて参りました。昨年は震災で中止になったことで、今年は2年ぶり、慶応義塾大学日吉キャンパスでの開催となります。今年はいつもにもまして多くの招待講演、特別企画、一般講演が企画されています。それに付随するのが毎年行われている化学関連企業の付設展示会。格安で書籍が買えたり、測定機器のデモをみたり、様々な小物がもらえたり、楽しみにしている方も多いことでしょう。これまでもケムステでは日本プロセス学会天然物討論会生化学会などの付設展示会に出展されているスポンサー様にお願いし読者特典を紹介してきました。昨年の日本化学会の年会でも協力頂きまして数々の特典を用意していただきましたが、現実となりませんでした。

では今年もやっちゃいます。題して第92回日本化学会付設展示会を楽しもう!

 

*ご居力いただきました、エルゼビア・ジャパンワイリージャパンシグマアルドリッチジャパンシュプリンガージャパンおよび担当者の方々にこの場を借りて御礼申し上げます(◯◯ジャパンが多いのはなぜ?)。

*書籍などを注文するディジタルデータマネジメント社は学会の公式取次会社です。

「重曹でお掃除」の化学(その1)

$
0
0

sodiumbicarbonate.png

年末大掃除の時に「お掃除に重曹を」、というのが流行っている、という噂を耳にしました。(季節外れですね。)

なんでも、市販の洗剤を使わなくても重曹で磨けば何でもぴかぴかになるとか、お酢やクエン酸もいいなど。

研究とは離れますが、炭酸水素ナトリウム、通称重曹は、小学校から大学まで、化学の教育とは切っても切り離せないものです。これが流行っているとなると、私のような化学者は興味をそそられるわけです。

そこで今回は、「重曹でお掃除」を説明してみます。年度末の引っ越しなどで、思い出して頂ければ幸いです。

 

研究者の方は常識と思うことも多いかも知れませんが、そんなときはにやにやして流して下さい。

「重曹でお掃除」の化学(その2)

$
0
0

sodiumbicarbonate.png

炭酸水素ナトリウム、通称重曹についてのお話です。前回の続きです。

前回は「重曹」という名前の由来と、ベーキングパウダーとしての利用で終わってしまいました。

今回は本題の「なぜお掃除に重曹がいいか」という話に戻りましょう。

重曹を使ったお掃除のことを最近ではナチュラルクリーニングと言うらしいです。

ソルベー法で工業的に合成された純度100%の炭酸水素ナトリウムが「ナチュラル」というのはどうかと思いますが、まあ結果論として害は少なそうので、そこは気にせず本題に入りましょう。

 

 

東日本大震災から1年

$
0
0

GREENjishin.PNG

未曽有の大惨事から1年。東北大学の復興をここにつづっておきたいと思います。ネイチャーやサイエンスの最新号の表紙が、一本松に、フクシマと、東日本大震災にちなんだものになっていました。あれから1年。みなさんは長かったと感じますか? 短かったと感じますか?

 


【読者特典】第92回日本化学会付設展示会を楽しもう!PartII

掟破り酵素の仕組みを解く

$
0
0

 

 

lasalocid.png

 

Enzymatic Catalysis of anti-Baldwin Ring Closure in Polyether Biosynthesis

Hotta, K.; Chen, X.; Paton, R. S.; Minami, A.; Li, H.; Swaminathan, K.; Mathews, I. I.; Watanabe, K.; Oikawa, H.; Houk, K. N.; Kim, C.-Y. Nature 2012. DOI: 10.138/nature10865

自然界には自然界のルールがあり、科学とはそのルールを一つ一つまた一つと解明していく人類の営みと言えます。しかし、時に自然は自らが作り出したルールを自身の手で破ることがあります。今回はそんな“掟破り”がどのようなメカニズムに依るのかという疑問の一つに答えを出した論文を紹介したいと思います。

シンガポール大学や北海道大学の及川英秋教授らのグループはイオノフォア抗生物質の一つであるlasalocid Aの生合成に関わるタンパク質の立体構造の解明と計算化学を用いた生合成機構の提案に関する論文がNature誌に報告しました。

3Mとはどんな会社?

$
0
0

3M_title.jpg

またまた閑話休題です。今回は3M(旧Minnesota Mining Manufacturing)が公表しているプレゼンテーションをご紹介いたします。

あなたの天秤、正確ですか?

$
0
0
 

nainya788.jpg

 実験化学者が最も頻繁に使う分析機器は、NMRでも液クロでもなくて、天秤でしょう。どのラボにも微量用「分析天秤」と大量用「汎用天秤」の2台があると思います。いつも当たり前に試料の重さを量ってますが、あなたの天秤は正確ですか?もし天秤の値が不正確なら、実験の収率も、液クロ定量も怪しいデータになっちゃいます。秤量がズレる要因から

①静電気

②風

③傾き

の対策をしてみました。

小さなフッ素をどうつまむのか

$
0
0

GREEN0371.PNG

 

フッ素と言えば、とにかく小さいことが特徴です。この小さなフッ素をどうつまむのか、ユニークな最近のアイディアをあげて、自然にある仕組みと、人工に作り上げた仕組みで、その戦略をそれぞれ比べてみます。フッ素感知リボスイッチから、ホウ素化合物とのルイス酸塩基錯体まで、その発想に迫ります。 

Viewing all 502 articles
Browse latest View live