最長の炭素酸素間結合を三環オキソニウムイオンで
炭素酸素間結合(C-O)と言えば、エタノールとか、エチルアルコールとか、炭素数2のアルコールとか。おりしも忘年会シーズンですが、お酒の成分としておなじみ、あの分子にも含まれます。...
View Article自由の世界へようこそ
最近の有機合成のトレンドの一つに既存の反応で当たり前のように用いられてきた試薬や条件を用いることなく新たな反応を開発するというのがあります。代表的な例として遷移金属を用いない(transition-metal free)合成が挙げられます。 今回、Pittsburgh大学のDennis P....
View Articleサイエンス・コミュニケーションをマスターする
突然ですが自分の研究を伝えるのって難しいと思いませんか?学会などのプレゼンテーションや企業での面接の時など、「自分にわかりやすく伝える力があれば、、」とほぞを噛む経験は一度はあると思います。...
View Articleウーロン茶の中でも医薬品の化学合成が可能に
衝撃の写真を見直すと、やはり「ウーロンちゃ」と書かれています、はい。途中をすっ飛ばして(!)要点だけ言ってしまうと「亜鉛化合物を入れるとおクスリができちゃう」というお話です。 画像を論文[1]より転載
View Article分子標的の化学1「親和クロマトグラフィーで最高峰GPCR単離にいたる苦難の14年」
本日12月10日はノーベル賞の授賞式典だそうで、受賞者がスウェーデンの首都ストックホルムに集まった様子は、テレビニュースなどでも報道されています。今年のノーベル化学賞は「Gタンパク質共役型受容体の研究」が評価され、ロバート・レフコウィッツ氏とブライアン・コビルカ氏に与えられました。 ところで、このGタンパク質共役型受容体(G protein coupled receptor;...
View ArticleReaxysレクチャー&第9回平田メモリアルレクチャー
企画 : Reaxys lecture and the 9th Yoshimasa Hirata Memorial Lecture 主 催: エルゼビアジャパン 名古屋大学博士課程教育リーディングプログラム 「グリーン自然科学国際教育研究プログラム」 平田義正先生追悼記念事業会 会 期: 2013年1月9日 (水) 会 場: 名古屋大学東山キャンパス 野依記念学術交流館
View ArticleホットキーでクールにChemDrawを使いこなそう!
化合物、特に有機化合物の構造式をPCにて描く際に最も広く使われているのは言わずとしれたChemDrawでしょう。そろそろ卒論を書く季節が近づいてきましたのでこのChemDrawというアプリと悪戦苦闘する四年生が風物詩の季節です。...
View Article目が見えるようになる薬
C23H30N5O2 …たった60原子の化合物を投与するだけで、目が見えなかったひとを救えるかもしれない。もうマウスでは実験に成功して、希望の光はすぐそこまできています[1],[2]。アゾ化合物のシストランス光異性化を利用したその輝かしいからくりをここに紹介します。
View ArticleイボレノリドAの単離から全合成まで
個人的には、今年2012年大河ドラマにあやかって、「天然物世界の平清盛」にふさわしい化合物ではないかと、ちょっとだけ思ったり思わなかったりするのですが、免疫抑制作用を持つ新規な生理活性物質の単離[1]と全合成[1]について紹介します。 それは、アフリカ原産のセンダン科木本Khaya...
View Article有合化若手セミナーに行ってきました
先週土曜日に慶応大薬学部で行われました「有機合成化学協会関東支部若手セミナー」に参加してきました。 この手のセミナーとしては珍しく、発表9演題が全て「企業研究者からの発表」でした。就職活動が始まったばかりの修士1年の学生さんには特に興味深い内容だったのではないでしょうか?
View Article紹介会社を使った就活
就活の始まりは、希望の会社にエントリーするところから始まります。近年はインターネットでの応募をほとんどの会社が採用しているので、リクナビやマイナビ、日経ナビなどからエントリーするのが始まりです。 では、どうのようにしてエントリーする=入社したい会社を選びますか。 ①会社の規模。そう考えたあなたは、大手病です。...
View Article韓国チームがiPS細胞の作製効率高める化合物を発見
『アンゲバンテ・ケミ―』と言えば、インパクトファクター10超、化学専門誌の中でもハイインパクト雑誌として有名です。2012年9月[1]に、iPS細胞(誘導多能性幹細胞)の作製効率を高める物質が、報告されました。自前のケミカルライブラリーから選抜、構造活性相関を経て構造展開された分子は、C18H15N3O2,原子数38,分子量302の物質です。 ※参考:ケムステ記事「化学物質でiPS細胞を作る」
View Articleビタミンと金属錯体から合成した人工の酵素
プラチナPtの他、ロジウムRh・ルテニウムRu・パラジウムPd・イリジウムIr・オスミウムOs。これら白金族元素に分類される金属は、有機化学合成の分野では触媒材料として、活躍が広く知られています。 しかし、生き物が環境中に希少なこれら金属元素を何かに使うといった報告は、まったく知られていません。...
View Article「年齢を重ねるほど小さくなる生き物」でフェロモンの正体を解明
幼稚園児・小学生・中学生と、わたしたち人間は年齢を重ねるほどに、からだが大きくなっていきます。単純にサイズが大きくなるだけではなく、からだつきもまた、男らしくあるいは女らしく発達していきます。...
View Article癸巳の年、世紀の大発見
皆様、明けましておめでとうございます。2013年、今年の干支は癸巳(みずのとみ、きし)ですね。癸(みずのと、き)は、陰陽五行説で水の陰であり、ここから日本では「みずのと」(水の弟)とも言うようです。巳(み、し)はご存知「へび」。蛇は穀倉を荒らす鼠を食べる有難い動物で、古来から畏怖と崇拝の対象です。長い体は長寿に通じ、脱皮することが再生や生命力を示すとされます。...
View Articleケイ素半導体加工に使えるイガイな接着剤
そこに本物になろうという意志があるだけ偽物の方が本物より本物だ 海辺の岩場にびっしりとへばりついたイガイの集団。海水で常に洗われ、濡れた岩場にどうやってくっついているのでしょうか。この疑問に潜むイガイの秘技を真似した先に、湿気の影響を受けない新たな接着材料が開発されました[5]。半導体素子を含めケイ素材料の加工に特化した、自然のシステムを超越する工夫とはいかに?
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