Wiiで育てる科学の心
今や一家に一台はあるであろう任天堂のWiiであるが,ゲーム以外の機能を楽しんでいる人はどれくらいであろうか? 「Wiiの中にあるもう一つのお茶の間」としてインターネットを利用したWiiチャンネルの一つにあるwiiの間というものをご存知であろうか。そこで放映されている、大人も子供も楽しめる、しかも視聴料無料のとてもすばらしい科学番組を紹介する。
View ArticleMacでChem3Dー新たなる希望ー
有機化学者のキラーアプリと言えばChemDrawですよね。筆者も大学四年生の時から利用しています。当時はChemDrawのためにMacintoshを導入した研究室も多いのではないでしょうか。しかしその後Windowsにも対応し、現在ではWindows版の方が厚遇されており、ようやく使い物になるようになりましたが...
View Article化学のちからで抗体医薬を武装する
化学者の総力をあげても新しいリード化合物は見つからない!? それでも創薬における化学の役割は健在のはず。今回は、化学らしさをまとったアプローチで注目の武装抗体について紹介します。 化学と生物学が交差するとき物語は始まる
View ArticleDNAのもとは隕石とともに
万物の霊長とされるヒトから、顕微鏡でなければ見ることのできない微生物まで、地球上の生命は、水素・炭素・窒素・酸素・リンの5元素からなるDNAと呼ばれる高分子に遺伝情報をゆだねています。このDNAのもとが、天空を裂いて地球に訪れた隕石から検出されたという話題について紹介します。
View Articleアメリカ化学留学 "大まかな流れ 編"
アメリカ留学シリーズです。 まずアメリカのPh.D.コースというのは日本の博士課程と何が違うのかというのを大まかに書いていこうと思います。 (この文章で書かれるケースはあくまで北米の1大学のケースを基にしていて、すべての大学がこのシステムに準じるものではありません。あくまで参考程度に読んでください)
View Article有機合成化学総合講演会@静岡県立大
12月17日に静岡県立大の菅敏幸先生主宰で行われた有機合成総合講演会でお話ししてきました。この講演会は化学同人で絶賛発売中の天然物合成で活躍した反応の査読委員を集めて講演会を開こうという菅先生の提案で始まったものです。筆者も含めて8人の40歳以下の若手合成化学者が全国から静岡に集まりました。とても面白く、折角なんで事後レポートをさせていただきたいと思います。
View Article口頭発表での緊張しない6つのヒント
みなさんは学会等での口頭発表では緊張しますか?おそらく全く緊張しない人はほとんどいないかと思います。かくゆう筆者もかなり緊張してしまいます。緊張の度合いとしては10人に1人の逸材ではないかと思っています・・・。まあさすがに最近は緊張から現れる「症状」は出にくくなってきていますが、症状としては、 1.心臓が壊れるのではと思うほどドキドキする。...
View Article天然バナジウム化合物 アマバジン
金属元素のひとつバナジウムの元素記号は「V」。周期表では第5族の位置にあります。5のギリシャ数字も、バナジウムの元素記号も、似たような形の文字で、面白い偶然の一致です。このバナジウムは、材料化学の分野でも面白い話題がたくさんあるものの、今回は天然物化学の分野からアマバジンと呼ばれる物質を紹介します。
View Articleエチレンを離して!
フロンティア軌道論とは、反応に関与する軌道の位相・対称性・電子密度によって分子間反応が支配されていることを説明する量子化学であり、Roald Hoffmann氏・福井謙一氏らは、この理論を確立した業績によって1981年にノーベル賞を受賞しています。 またWoodward-Hoffmann則(経験則)は、このフロンティア軌道論を基に提唱されています。
View ArticleすべてがFになる
サイズは小さいわりに自己主張が極めて強いフッ素は、医薬品など薬剤開発の場面でキーとなる原子です。そのため、トリフルオロメチル基(-CF3)を穏和な条件で導入する反応には、大きな需要があります。メチル基(-CH3)のH 3つすべてがFになる、そんなデザインを可能にする画期的な反応が開発されたため、ここに紹介します。
View Articleカイコが紡ぐクモの糸
絹と言えばシルクの布としてもおなじみですが、絹糸は手術の縫合糸など他にもいろいろな場面で使われています。通気や透湿に優れ、肌とよくなじむことに加えて、細さの割に優れた強靭さが、絹糸の特徴です。 このように、ただでさえ十分な魅力を持った繊維である絹糸ですが、これを凌駕する新材料、クモの糸について、画期的な手法が開発[1]されたため、ここに紹介します。
View Articleで、その研究はなんの役に立つの?
例えばそこの貴方。合コンで初めてあった女の子や久しぶりの親戚と、自己紹介や近況報告から自分の研究の話題になったとします。そして「どんな研究しているの?」から始まった会話は80%(もっと高いかも)の確率で「その研究はどういう役に立つの?」「どういう製品になっていく研究なの?」...そんな流れ何処かで聞いたことありませんか。特にお正月はこんな話題、多かったんじゃないでしょうか?...
View Articleアイディア創出のインセンティブ~KAKENデータベースの利用法
最近は、ありとあらゆる研究に関する情報が容易に入手可能になり、研究者に対する研究情報基盤が確立されつつあります。その中で、公的機関が提供する"まじめで正確な"情報源は有用なものがあります。 今回は、公共のデータベースを活用した、研究費申請のアイディア創出の参考、刺激になるひとつの方法を紹介したいと思います。
View Articleカゴの中の鳥にパイ電子雲がタッチ
よく考えるとベンゼンはなかなか面白い分子であり、それにも関わらずベンゼン環は生物・無生物を問わずいろいろな場面で登場する構造です。ベンゼン環の性質のいくつかは、芳香環の面と垂直に分布し相互に共鳴したパイ電子の影響を、色濃く受けています。 今回は、芳香環のパイ電子雲に注目して設計したカゴの中に、双性イオンの鳥をおさめた報告を紹介します[1] 。
View Article